メキシコタッチ
今回は仁川発券でメキシコに向かいます。メキシコでは滞在時間11時間で、同じ機材で帰国する「メキシコタッチ」です。

メキシコはANA最長路線?
今回は成田からメキシコシティへ向かいます。この路線はANA最長路線として有名ですが、実はロシア上空を通過できなくなって以来、実質の最長路線は羽田-ミュンヘンになっています。直線距離では成田-メキシコシティ線が今でも最長ですが、実際の飛行ルートはヨーロッパ路線が全て遠回りしているので、飛行距離も時間も羽田-ミュンヘンが一番長くなっています。
とは言え、ANAの公式には最長路線ということになっているので、今日はそのつもりで搭乗です。しかも、現地に11時間だけ滞在して同じ機材で日本に戻る「メキシコタッチ」です。
仁川発券
今回のチケットは仁川発券で、ソウル発東京経由メキシコシティ行きの往復になります。まずは出発地のソウルに行かなければなりません。それと最後にソウルから東京に戻るチケットも必要です。この羽田-ソウル往復はANAのエコノミー席で予約しました。
ラウンジでしっかりと食事
この羽田-金浦(ANAの羽田発は仁川ではなく金浦に到着します)に乗る前にANAスイートラウンジで食事をいただきました。機内食はあまり期待してなかったので、ここでしっかりといただきます。
まず握りずしです。羽田のラウンジの握りずしはライブキッチンでその場で握ってくれるので、鮮度もよくとてもおいしくいただきました。

続いてサーモンイクラ丼です。これは脂の乗ったサーモンが口の中でイクラと混ざり合い、何とも言えない美味しさです。

最後はデミグラスハンバーグです。ラウンジで出る食事はどれも軽めになっており、複数の食事をいただけるのがとてもよいと思います。

これでおしまいかと考えましたが、まだお腹には入りそうなので牛丼もいただきました。牛丼チェーン店のものと違って上品な味の牛丼でした。

お腹も膨れたのでバーに移動し、カクテルをいただきます。ここはノンアルコールカクテルにしました。
羽田から金浦
これだけラウンジで食べたので、金浦行きの機内食は食べられないかと思いましたが、意外と食べられました。

そういった事情もあり、この日はこの後何も食べずに、翌日も仁川からの機内食まで何も食べませんでした。ちなみに、羽田からのANAは金浦に着くので、金浦から仁川までは空港鉄道のAREXで移動しました。これがラッシュ時と重なり電車を2本見送らないと乗れなかったのは誤算でした。
仁川から成田
仁川から成田へはANAではなく、アシアナ航空のフライトでした。もうすぐ大韓航空と合併されるのでその前に乗っておきたかったという意味も込めての搭乗です。ただし、ANA便でのフライトではないので、ミリオンマイラーの積算対象外のため、ここでは割愛します。
メキシコ便の飛行機は専用機
成田で乗り継ぐ形でメキシコに向かいます。メキシコシティの空港は標高が高いところにあるため空気の密度が薄く、人やモノをたくさん積んだ状態での離陸が難しい空港です。これまでは日本との直行便は日本からの行きは直行でも、メキシコからの帰りの便は離陸後に別の空港(標高が低い空港)に着陸して燃料を補給してから日本に向かうということが必要でした。
しかしB787の登場により直行が可能になりました。但し、普通のB787ではダメで、エンジンが高地用にチューニングされたロールスロイスのトレント1000-Lというエンジンを積んだ飛行機でないと直行便として飛べません。このメキシコ路線専用機をANAは4機保有しています。見た目では他のB787と区別はつきません。
それでも気温の高い時期は空気密度が更に薄くなるため、この専用機でも乗客や荷物を満載にすると直行便では飛べなくなるため、定員に対して満席にならない数しかチケットが販売されません。もちろん成田からの行きの便はそのような制約はありません。
ほぼ定刻の出発
乗客数を無理に抑えなくていいはずの成田発ですが、見た感じでは6割くらいの乗客数で搭乗も比較的早く終わり、ほぼ定刻に出発しました。最近のANAは出発時刻が遅れるのが常態化していたので、これは軽い驚きでした。
離陸後すぐに安定飛行に入り、機内食が始まりました。
3種類の機内食
機内食は3か月に一度メニューが刷新されて和食、洋食の肉料理、洋食の魚料理から選べるのですが、ここ3か月で3回国際線に搭乗しているため、3種類の全ての料理を食べていました。そこで一番美味しいと思った和食を今回はチョイスします。
和食の主菜は牛肉ちり蒸しと銀鱈西京焼きという、肉と魚の両方が味わえる構成になっており、これを日本酒の飲み比べでいただこうという魂胆です。
アミューズはANAオリジナルシナモンジンジャースティックと海老のマリネ オリーブとチーズです。これをカンパリオレンジでいただいたのですが、海老のマリネとは全く合いませんでした。甘いお酒なので仕方がないです。ですが、シナモンジンジャースティックとはよく合いました。アミューズに必ずと言ってよいほど出てくるスティックですが、これだけは甘いお酒がよく合います。
前菜は日本酒で
ANAの機内食の和食は前菜が一番見栄えがよく品数が多く華やかですが、主菜は主菜だけがドン!と出てくるので地味な感じがします。その見栄えのよい前菜ですが、今回は鰤のお造りや竹紙昆布巻鯛小袖寿司や松笠烏賊雲丹焼があり、海鮮もお肉もあります。この前菜を日本酒の農口と八海山でいただきました。魚介類は農口の方が合っていると感じました。八海山はオールマイティな感じです。日本酒それぞれの特徴が出てて飲んでいて楽しかったです。

主菜の肉と魚
主菜は牛肉ちり蒸しと銀鱈西京焼きというダブルセンターの布陣です。引き続き農口と八海山でいただきました。期待していた牛肉ちり蒸しですが、ちょっと硬いところがあってほろほろとした食感ではなかったのが残念でした。ただ、味付けがポン酢なので純米大吟醸の八海山とはさっぱりとした味を日本酒のコクが受け止める感じで相性がよかったです。
一方で銀鱈西京焼きはやはり魚介類に合う農口の方がよかったです。肉と魚、それぞれ特徴あるお酒に合わせていただく、とてもよい時間となりました。

デザートは要らない
デザートの時間ですが、いつも通りこの後に軽食を頼むつもりなのでデザートは断りました。軽食ですが、ヴィーガンカレーも魅力的だったのですが、今まで食べたことがないサンドイッチを注文しました。サラダもつけてセットのような形でいただきました。

このサンドイッチはホットミールではないので冷たいままの提供でしたが、海老がたくさんサンドされていて、食べ応えのあるものでした。味もよかったです。サンドイッチは軽食メニューによく出てくるのですが、写真もなく中身が何なのかわからないことが多いので、注文を躊躇してしまうことがほとんどです。ですが、今回は頼んで正解だったと思います。お腹もいっぱいになったところで就寝です。ANA最長距離路線と言っても行きは偏西風に乗るので、飛行時間はアメリカ東海岸行きと変わらない12時間程度となるため、睡眠時間も5時間~6時間程度になりました。
朝食は洋食で
目が覚めるとすぐにCAさんが朝食のオーダーを取りに来ました。周りの席ではもう機内食が始まっていました。普通なら到着の2時間半前に機内の明かりが点いて、1時間前に窓のブラインドが上げられることが多いのですが、このフライトでは到着の2時間前に全てのブラインドが上げられて、機内が明るくなっていました。乗客に早く起きてほしかったのかもしれません。
朝食はいつもはお腹があまり減ってないため和食にすることが多いのですが、今回は洋食にしました。到着してから11時間後に帰りの便が出発するのですが、その間何も食べられない場合を想定して、少しでも食べておこうと考えたためです。
朝食の洋食はチキンのソテーとキノコのリゾットです。トリュフ風味のフォン・ド・ヴォーソースが食欲をそそります。和食と比べるとやはり少し重めで味付けも濃いです。ですが、美味しく全ていただきました。

メキシコシティに到着
食事が終わる頃にはメキシコ上空にさしかかっていました。赤茶けた大地が見えます。

いかにもメキシコ的な景色です。徐々に高度を落として、伊丹空港みたいに街中にあるメキシコシティ国際空港(ベニート・フアレス国際空港)に到着です。

メキシコの入国審査は日本のパスポートの場合有人カウンターを通る必要はなく、自動化ゲートで入国可能です。乗客の多くはメキシコ人だったため、外国人の列は私が先頭だったのですが見事に自動化ゲートでスキャンに失敗し、結局有人カウンターの方に並ぶはめになりました。私のパスポートは2世代前の古いタイプなのですが、クアラルンプールやシンガポールでは全く問題なくスキャンできても、ロンドンやメキシコでは弾かれてしまいます。パスポートを新しく更新すれば弾かれなくなるのでしょうか?
観光も考えたが・・・
有人カウンターでは簡単な質問だけで入国できました。ここから帰りの便の出発まで約10時間どうやって過ごすかはノープランでした。調子がよければ街に出て観光することも考えたのですが、スーツケースを引きながらの観光はとても大変になることがわかっていたので、空港を散策することにしました。このベニート・フアレス国際空港ですが、非常に横に長い空港です。チェックインカウンターやレストランなどが横にズラ~っと並んでいて、端から端まで歩くとゆうに10分はかかる感じです。時間もたっぷりあるので、レストランやお土産の店(そんなにはない)をゆっくりと眺めながら歩きました。それも2時間ほどで終了し、まだ8時間ほどありました。
ラウンジホッピングも考えたが・・・
帰りの搭乗券は成田を出発するときに発券してもらったので、セキュリティの中にはいつでも入れます。セキュリティの外は一通り回ったので、今度は中に入ってラウンジホッピングをしようと考えました。ANAの指定ラウンジの他にプライオリティパスで入れるラウンジが4か所ほど確認できました。
セキュリティを通って中に入ると、こちら側も横に長い構造のターミナルです。早速、プライオリティパスで入れるラウンジに向かったのですが、最初に行ったラウンジは午後5時で営業時間が終了とのことで入れませんでした。次に行ったラウンジは空港の一番端にある狭くて暗~い感じの待合室のようなラウンジで居心地はあまりよくありませんでした。でも入れるラウンジは数が限られており、ラウンジの滞在時間は最大で3時間というところが多いので、すぐに別のラウンジに行くわけにもいかず我慢して過ごしました。
ANA指定ラウンジ
次に行こうと思ったラウンジですが似たような名前のラウンジが2つあって、片方はANAの指定ラウンジでした。最初に指定ラウンジではない方のラウンジに入ろうとしたら、ANAの指定ラウンジと同じ系列のラウンジなので、どちらかに3時間しか滞在できないと言われたのでそこは入室せずに、ANA指定ラウンジの方に行きました。ANA指定ラウンジでプライオリティパスと搭乗券を見せて、両方合わせて6時間滞在したいと交渉し認めてもらいました。

ANA指定ラウンジなので、居心地もよく料理もそれなりにあって(最初に入ったラウンジは料理がほとんどなかった)、シャワーもあります。まずはシャワーを浴びてサッパリとしたかったのですが、シャワーブースは1つしかなく順番待ちでした。1時間くらい待ってシャワーを浴び、軽く料理とビールをいただいて時間を潰しました。

搭乗口へ
帰りの便は出発が午前1時という遅い時間なので、閑散とした空港内を想像していたのですが、午前0時を過ぎても多くの人がコンコースを行き来しています。おそらくこの空港は街の真ん中にありながら24時間運用の空港で、深夜便も多いのではないかと思われます。
「横に長い空港」と書きましたが、裏返せば、「縦に短い空港」でもあります。搭乗口に向かいましたが、搭乗口とその周辺の待合スペースはものすごく狭いものでした。ベンチも100人もいたら満席になってしまうくらいに数が少なかったです。なので、乗客の多くは立って搭乗を待っていました。
深夜の出発
帰りの便は午前0時50分の出発です。乗客はそれほど多くなく(理由は後ほど知る)搭乗開始後20分で出発しました。

深夜発なので、機内食もなく寝るだけかと思いましたが、CAさんに聞くと最初にアミューズと飲み物が出て、それからは軽食のみ、機内食は到着直前に出るとのことでした。安定飛行に入るとシュリンプカクテルとスモークダックのピンチョスと飲み物をいただきました。


本当ならここで寝るところだと思いますが、14時にメキシコについてからラウンジで軽く食べただけでとてもお腹が空いており、軽食をいただくことにしました。
軽食のオンパレード
最初に注文した軽食は牛すき焼き 白御飯、小鉢、味噌汁、香の物のセットです。通常の機内食の和食として主菜で出されるメニューになります。海外発の機内食の和食は牛すき煮とか牛すき焼きがよくラインナップされます。おそらく海外でも食材が入手しやすく、味付けも海外の方にわかりやすい味だからというのが理由だと考えています。この和食に対しての洋食は用意されておらず、軽食は牛すき焼き一択でした。味は日本人になじみの味で、お酒も進みました。

でもこれだけで空腹は収まらなかったのでポークハム、エメンタールチーズとトマトのクロワッサンサンドイッチを追加で注文しました。ハムとチーズとトマトのコンビネーションが見た目も美味しそうで、これもペロっといただくことができました。

だんだんとお腹も膨れてきたのですが、このフライトはANA最長距離のフライトです。しかも偏西風に逆らっての飛行なので、14時間45分の飛行時間です。到着前の機内食は到着の2時間前くらいだとすると、ここから10時間以上もあります。そこでもう一つ軽食をいただくことにしました。
今まで食べたことがなかった 蟹雑炊です。

おそらく他の路線ではメニューで見たことがないので、メキシコ発の機内だけで食べられる軽食だと思います。最後に温かいものをいただいて、ようやく就寝しました。

メキシコ路線の特徴
メキシコシティの空港は標高2230メートルのところに位置しています。空気密度が薄いところから離陸するため満席にはできないことは前に述べましたが、CAさんによるとエコノミー席はブロックの前方にはあまり乗客を乗せず、なるべく後方に乗せるようにすることで、離陸時に機種が上がりやすくしているそうです。エコノミーの前方を取ろうとしてもブロックされている席が多いそうです。そんな工夫もして、直行便を飛ばしているとは驚きです。
また、B787の機内は飛行中には標高1800メートルくらいの気圧になるように設計されています。例えば羽田(ほぼ標高0メートル)から離陸すると徐々に機内の気圧が1800メートル相当に下がっていくのですが、メキシコからの離陸の場合は空港の標高が2230メートルなので、離陸するとむしろ機内の気圧が上がっていくという不思議な体験ができます。とは言え、実際に乗ってみると気圧が上がっていくことは感じられませんでした。
和食の朝食
起床すると成田到着まで2時間というところでした。周りの乗客は既に機内食を食べ始めています。CAさんがオーダーを取りに来たので和食を選びました。出発後すぐに出る機内食で和食を選ぶと、前菜と小鉢2つが先に出て、その後主菜が出るという順番なのですが、今回の朝食として出る和食は前菜、小鉢1個、主菜がワンプレートに乗った状態で提供されました。通常の和食よりも品数が少ないのですが、日本時間の早朝に着くフライトのため、朝食としてはボリュームは多い方だと思います。主菜は銀鱈煮付けです。昨夜の牛すき焼きと比べると薄い味付けで、こちらの方が和食っぽい味わいです。また前菜は通常の機内食の和食で出てくる前菜とほぼ同じで見栄えもよかったです。

こうしてみると、メキシコ-成田線は2回ある機内食が通常とは逆の順番(通常は1回目がフルコース、2回目がワンプレートの軽めな食事)で出てくることがわかります。出発が午前0時過ぎなので、これでちょうどだと思います。
早朝の成田に到着
食事も終わって飲み物のおかわりをいただくと、もう成田は目の前です。朝6時台の到着なので空港の混雑もなく、迂回せずにまっすぐ成田に向かいました。この時間帯に着くと、まだスカイライナーの運転はなくアクセス特急という名の通勤電車で帰宅することになります。長旅の最後にしては成田からの移動が一番疲れたような気がします。

さて、ライフタイムマイルの確認です。

目標のミリオンマイラーまで残りあと379910マイルです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。






























目標のミリオンマイラーまで残り











